人生で、おそらくはじめて金髪を意識したのは、
12歳のとき読んだ小椋冬美さんの漫画「シルク」。
主人公はロングヘアを金髪にしたばかりの青年で、
ふとしたきっかけでショートヘアの女性と出会う。
さっぱりとした性格の女性に対して、つい考えすぎては
うじうじと悩んでしまう自分が嫌だと打ち明ける主人公。
そんな主人公の吐露の中に忘れられない言葉がある。
「小さな頃は何にでもなれると思っていた。(中略)
でも大きくなるにつれてそうじゃないことがわかる。
大人になるってことは、夢を忘れることじゃなくて、
夢の遠さを知ることなのかな」
(記憶を頼りに書いているので若干違うかも…)
中学生の私にこの言葉はずしんと響いた。
当時、金髪にしても思ったような自分になれない主人公と、
理想と現実がかみ合わない自分が、痛いほどにリンクして、
30数年たった今も忘れられない漫画のひとつとなっている。