Life is like a garden

Perfect moments can be had, but not preserved, except in memory.

左利き

生まれついた頃から、すべて左利きだったらしい。

らしいというのは自分ではあまり覚えていないから。

ただ、小学校に上がる前に「右利きの練習」をさせられ

そのときの写真を親から見せられたことは覚えている。

 

いまでは筆記用具や包丁は右利きなので、

左利きだと気づかれることはあまりない。

それでもふとした時に気づくときがある。

 

大学卒業後、友達と再会したとき、夏祭りにいったことがある。

みんなで水ヨーヨーを買ったとき私だけものすごく下手だった。

どんなに頑張っても、ヨーヨーがあちらこちらに飛んでしまう。

さんざん笑われた後、もしかして?!と思い、ヨーヨーを左に

持ち替えたら、ようやくみんなと同じように操ることができた。

 

大学時代に「バレッタの向きが逆だよ」と教えてもらった時には、

左利きだから普通につけたつもりでも、逆になってしまうと知る。

ネックレスがつけにくいのは右利き用だからと知ったのもこの頃だ。

とくに矯正されなかったスポーツ関連に関しては、いまも左利きだ。

ラケットをもつのも、ボールを投げるのも。ボーリングのときも。

 

日常生活で左利きで良かったと思うことは、実は特にない。

左利きなんだ!とたまに驚かれるくらい。それでもときどき

左利きだからか!と思う時、長年連れ添った左利きに親近感

を覚え、左利きで良かったと思う日が来るといいなと思う。

 

また右左の認識がすごく悪くいつも戸惑ってしまう。

とっさに左右を言われたときにわからなくなるのだ。

50手前の今でも「左」は名札を付けている方だと

覚えているので左と言われるととっさに左胸をみる。

 

いちど乳がん検診で「左に一歩でて右胸を乗せて下さい」

といわれたときには、え?左?右?とあたふたしてしまい、

看護師さんに笑われてしまったことがある。私だけかと

思っていたら、俳優の境雅人さんに同じ症状があると知って

少しホッとした。左右盲や、ゲルストマン症候群と言われる

ものらしく、もともと左利きだった人に比較的多いらしい。

 

ふだんの生活で特に困ったことはないが、免許を取ったときに

とっさに左右がわからないのは困ったし、危険極まりなかった。

とっさにアクセルとブレーキの左右がわからなくなるので、

ブレーキを踏むべきときにアクセルを踏んでしまうのだ。

 

さいわい事故を起こしたことはないがヒヤッとしたことは

何度もあり、「運転をしない方がいい」と悟ってやめた。

このためここ数十年はずっとゴールド免許を維持している。