Life is like a garden

Perfect moments can be had, but not preserved, except in memory.

『オープン・ウォーター』(ケイレブ・アズマー・ネルソン著、下田明子訳、左右社)の書評

図書新聞」No.3599・ 2023年07月15日(土)に『オープン・ウォーター
(ケイレブ・アズマー・ネルソン著、下田明子訳、左右社)の書評が掲載されました。

http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/

ガーナ人の両親を持つケイレブ・アズマー・ネルソンが2021年に発表した作品で、
この小説が著者にとっての長編デビュー作となります。小説にも同様に両親が
ガーナ出身である主人公が登場し、ロンドンで黒人として暮らすという現実が
心に響く作品であると同時に、ラップをはじめとするさまざまな音楽、
映画『ビール・ストリートの恋人たち』や『ボーイズン・ザ・フッド』、
ゼイディー・スミスの小説『NW』など、主人公である「きみ」や「彼女」が
これまでに出会った音楽や映画、小説が、文字通り、彼らにとって生きる支え
となっていることがよく伝わってきます。
「きみ」の目の前には、どんな現実が広がっているのか。
どんな現実を「きみ」は生きているのか。
ぜひ手に取って思いを馳せてほしい一冊です。