Life is like a garden

Perfect moments can be had, but not preserved, except in memory.

本のこと/本の感想など

『新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ』(北代美和子訳、草思社)の書評

現在、フランスのパリにて夏季オリンピックが開催されている絶好のタイミングで、「図書新聞」(No.3651・ 2024年8月10日号)に、ロランス・コセ『新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ』(北代美和子訳、草思社)の書評が掲載されました。図書新聞編集部の許可を…

岸政彦の20分休み

2月から始まった『岸政彦の20分休み』を楽しく拝聴している。岸政彦さんは、京都大学大学院で教鞭をとっている社会学者。こう書くと堅そうなイメージだが、全然そんなことはなく、肩の力を抜いてゆるっと聞ける番組で、毎週楽しみにしている。番組が始まると…

『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評

「図書新聞」No.3644・ 2024年6月22日に『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評が掲載されました。「図書新聞」編集部の許可を得て、投稿します。書評は下記のリンクよりお読みいた…

『万国博覧会と「日本」』(勁草書房)

数年前に担当した万博関連のシンポジウムの翻訳に関連して、このたび発行された『万国博覧会と「日本」』(勁草書房)の「あとがき」に、名前を掲載いただきました。 www.keisoshobo.co.jp私が担当したザラ・ヨハンナ・トイラー氏のスピーチ原稿は、残念なが…

半日ドック

今日は年に一度の半日ドックの日。今日結果が出たものはすべて異常なし。身長が縮んで166.8cmになっていたのが地味にショックだった(笑)半日ドックの後は、アメリカンカフェ〈バビーズ〉でブランチ。笑っちゃうくらいコーヒー用のミルクがたっぷりで嬉しか…

『殺人者たちの「罪」と「罰」: イギリスにおける人殺しと裁判の歴史』の書評掲載

このたび『殺人者たちの「罪」と「罰」: イギリスにおける人殺しと裁判の歴史』の書評が、「図書新聞」(No.3626・ 2024年02月03日)に掲載されました。 掲載にご尽力頂いた金子先生に心より感謝申し上げます。また、書評の対象としてなかなか手強いであろう…

【2023年】私の推し本

2023年に読んだ本のなかで、とくに印象の残った本7冊を翻訳勉強会「自由が丘翻訳舎」のnoteで紹介しました。 アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』(市川恵里訳、河出書房新社、2021年)最初にタイトルを見たときは何とも思わなかったが、読…

『殺人者たちの「罪」と「罰」: イギリスにおける人殺しと裁判の歴史』

共訳書『殺人者たちの「罪」と「罰」: イギリスにおける人殺しと裁判の歴史』(草思社)が本日発売されました! 本書は、現役弁護士である著者のケイト・モーガンさんが、イギリスにおける数々の殺人事件に焦点を当てて、正しい「裁き」について様々な角度か…

『女たちの沈黙』の読書会に参加して

昨日は都内で開催された『女たちの沈黙』の読書会へ。 www.hayakawa-online.co.jp こちらの読書会に参加するのは2回目で、初回はずいぶんと緊張して参加したことを思い出す。 あれはいつだったっけ…と過去のブログを見てみたら、4年前! ameblo.jp 今回は参…

『オープン・ウォーター』(ケイレブ・アズマー・ネルソン著、下田明子訳、左右社)の書評

「図書新聞」No.3599・ 2023年07月15日(土)に『オープン・ウォーター』(ケイレブ・アズマー・ネルソン著、下田明子訳、左右社)の書評が掲載されました。 http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/ ガーナ人の両親を持つケイレブ・アズマー・ネルソン…

『地下図書館の海』(エリン・モーゲンスターン著、市田泉訳、東京創元社)の書評

「図書新聞」No.3596 ・2023年6月24日(土)にエリン・モーゲンスターン『地下図書館の海』(市田泉訳、東京創元社)の書評が掲載されました。さまざまな物語へのオマージュが随所に見受けられる壮大なファンタジー作品で、時空を超えた冒険をぞんぶんに堪能…

珈琲とチーズケーキ

折り返し地点を過ぎて、きりのいいところまで進んだので、息抜きに近所の珈琲店で深煎りエチオピアとチーズケーキ。 店内にジャズのような曲が流れていて、それが藤本和子さんのエッセイとよくあい、短いけれど幸せなひとときを過ごす。 彼女の観察眼が素晴…

祖母の歌集

祖母の歌集『冬ばら』に収められている短歌を3年かけてようやくすべて写し終える。 真面目に毎日写していれば1年と100日で終わるところを、途中何カ月も中断したり、また思い出したように始めたり…を繰り返した末、ようやく最後のページにたどり着く。 今放…

『本の雑誌』

『本の雑誌』最新号の〈2022年度現代文学ベスト10〉に『ボイジャーに伝えて』が入ったと知り、嬉しくなって購入したら、〈ノンジャンルのベストテン〉には『ULTRAS』と『八月の母』が!前者は一部お手伝いさせて頂いた作品、後者は書評を書かせて頂いた作品…

ムーミンシリーズ

ムーミンシリーズ9冊[新版]を無事完読しました。読み終えることができたのは、猫町倶楽部さんのおかげです。 nekomachi-club.com読書会のペースに合わせてこの一年少しずつ揃えていき、今月、ようやく最後の1冊を読み終えることができました。 毎回出るぞ、…

ジョーン・エイキン『ルビーが詰まった脚』(三辺律子 訳、東京創元社)の書評

「図書新聞」No.3571 ・2022年12月17日(土)にジョーン・エイキン『ルビーが詰まった脚』(三辺律子 訳、東京創元社)の書評が掲載されました。http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php 本作品は、日本でも数多くの作品が紹介されている児童…

『【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ』ができるまで

本日は、日本翻訳者協会(JAT)出版分科会様主催のイベント,「『【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ』ができるまで」に、スピーカーとして参加しました(@Zoom)。 スピーカーといっても、原書の発掘をしたメンバーの岡田さんと、現在所属してい…

洋書の寄贈2回目

英会話学校を経営している知人に洋書を送り、本日届いたと連絡が入る。送るのは2度目。 ある懇親会で知り合い、紙コップに入った酎ハイ片手におしゃべりをしていたとき、なにかの拍子に豪快にひっくり返してしまい、おもいきり相手のスーツにぶっかけてしま…

アジア図書館ネットワーク

昨日、アジア図書館ネットワークに図書を寄贈しました。送付した本は、ベトナムのハノイにある「さくら幼稚園」に送られるそうです。 アジア図書館ネットワークは、大学時代の恩師が主催するNPO団体で、先生がアジア経済研究所に勤務していた縁で、アジア地…

『トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉』を読み終えて

『トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉』を読み終える。 filmart.co.jp 数か月かけて、寝る前に少しずつ読み進め、日付を越えて読了。翌朝、奇しくもトーベの誕生日(8/9)に読み終えたことに気づく。ムーミン誕生以降のトーベの葛藤、芸術や人生への向き合い…

『【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ』

共訳書『【閲覧注意】ネットの怖い話 クリーピーパスタ』が本日発売されました。 www.hayakawa-online.co.jp ネット版都市伝説と呼ばれるクリーピーパスタの数ある話の中から、読みごたえのある選りすぐりの15篇を集めた、5分でゾッとするショートストーリー…

早見和真『八月の母』(KADOKAWA)の書評

「図書新聞」No.3549 ・ 2022年07月02日(土)に、早見和真『八月の母』(KADOKAWA)の書評が掲載されました。http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php「図書新聞」編集部の許可を得て、書評を投稿します。-----------------------------------…

『カラマーゾフの兄弟』を読み終えて

亀山郁夫訳の『カラマーゾフの兄弟』1~5(光文社古典新訳文庫)読了。面白かった!20日たらずで一気に読み終える。ドストエフスキーの筆力と亀山郁夫さんの素晴らしい翻訳が相まった至福の読書体験だった。5巻巻末の訳者の解題がまた素晴らしく、微に入り細…

『死体とFBI』

勉強会でお世話になっている倉田真木先生の最新訳書『死体とFBI』の一部が、Hayakawa Books & Magazines(β)にて公開されました。 www.hayakawabooks.com 前途有望なFBIの新人捜査官は、なぜ、情報提供者の女性を殺害するに至ったのか。先生が以前訳された…

明けましておめでとうございます

2022年が始まりました。年末に振り返りの時間が取れなかったので、2021年の振り返りから… 【仕事編】実務翻訳と並行して続けている出版翻訳について、去年は翻訳のお手伝いをさせていただいた本が2冊刊行、また、2冊の下訳(1冊の一部)に携わりました。…

『地上で僕らはつかの間きらめく』を読んで

オーシャン・ヴォンの『地上で僕らはつかの間きらめく』を読み終える。無慈悲で救いようのない現実が容赦なく綴られるが、言葉の一つひとつが美しく、内容とは裏腹に、読んでいるあいだは静寂と安らぎに包まれる。ふと、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け…

小川高義さんのオンライン講演会

土曜日は洋書の森主催による文芸翻訳家、小川高義さんのオンライン講演会を視聴。以下は、とくに印象に残った言葉の数々。 ------------- 頭の中で映像を見る、読むというより見る 言葉→言葉 ではなく、言葉を映像に 原文からすっと出てくるイメージが大事 …

『ペスト』を読み終えて

以前、柴田元幸先生はサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』について、「できれば高校のときに出会っておくべきだった」と仰られたことがあり、同書が、限られたある時期に読むべき一冊であることを指摘されていたが、カミュの『ペスト』こそ、今読むべき…

2021年ノンフィクション本大賞『海をあげる』

上間陽子さんの『海をあげる』が2021年ノンフィクション本大賞を受賞!以前読んだとき、広く読まれてほしいと思った一冊なのでとても嬉しい。おめでとうございます!! kmr475.hatenablog.com 追記:11/11上間さんの授賞式のスピーチを聴く。優しく力のある…

オンライン読書会:『ムーミン谷の彗星』

本日は猫町倶楽部さん主催の読書会『ムーミン谷の彗星』に参加。ムーミンの読書会は4年前に、2019年刊行のムーミン全集[新版]の翻訳編集をされた、畑中麻紀さんが開催された読書会に参加。そのとき通して読みたいと思ったものの、途中で行けなくなるなどして…