Life is like a garden

Perfect moments can be had, but not preserved, except in memory.

金髪について DAY3:文通

小学生のとき、趣味は文通だった。

当時は雑誌の片隅などに文通コーナーがあり、

だれでも気軽に文通相手を探すことができた。

 

10人以上のペンパルを持ち、1日に数通届くこともざらで、

毎日ひたすら手紙を書いていた。田舎の、特にこれといった

変化もない日常に何をそんなに書くことがあったのだろう。

内容はもう覚えていないが、とにかく書くことが楽しくて、

毎日夢中になって机に向かって便箋に鉛筆を走らせていた。

 

それほど好きだった文通も、年を重ねるごとに1人また1人

と自然に減っていき、気づいたらたった1人になっていた。

彼女と文通を始めたのは小学4年生のときで、以来ずっと

手紙のやりとりが続いていたが互いに次第に忙しくなり、

気づけば年賀状のみのやりとりになり、今に至っている。

 

その彼女に彼ができたのは高校生の頃。初めて会ったとき

その子は金髪だったそう。てっきり、いつも金髪なのかと

思ったら次会ったときは黒髪で金髪は夏休みだけだと知る。

 

その後も文通を続けていたがもちろん毎回彼氏の話ばかり書く

わけではなく、むしろ彼の話題に触れることが少なかったので、

(私が付き合っていなかったので遠慮していたのかもしれない)

結婚が決まったと聞いて(読んで)こころから喜んだときに、

相手が高校時代から付き合っていた彼だと聞いてとても驚いた。

ああ、あの金髪の、と久しぶりに出会いの場面を思い出した。

金髪にしたのはそのとき限りかもしれない。それでも私の中に

2人の出会いのエピソードは10年経ってもちゃんと残っていた。